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2017年1月28日土曜日

マルチチャンネルアンプの設計(4)

電源部の設計ですが、それぞれの部品がまだ完全に固まってはいません。


一応下記のような部品を前提とします。


① トランス 菅野電機SP2015(20V15A)  138(W)×108(D)×115(H)

② SBD オムロン 型番 未定

③電解コンデンサー 50V、47,000μF 当初 4本 最終12本   50Φ✕125mm





最近友人となった、某社の著名なアンプの設計者からのアドバイスでは、

「オーソドックスな±電源で、負荷のリターン電流は単独で大元の電源ケミコン

に戻す事。  

電源については、オーソドックスなトランス⇒ケミコンの回路で、非安定で良い。

トランスの容量(電流容量大⇒DC抵抗が低い⇒音のエネルギー感が向上)、

ケミコン容量⇒大きすぎてもダルな音になる。 例えば、50W/1CHクラスで

10、000μF(プラスマイナスで2個)が基準で、できれば各々のアンプへ。」





箱の中に、コンデンサー12個と、電源トランスを収納するような構造を図面で書いてみたん

ですが、あまりうまく収まりません。



原因はトランスの寸法が、電解コンと比較して結構大きい事と、トランスの重さで箱の

中でトランスを固定する構造が難しそう。



結局、薄めのアルミ製箱の上に、トランスと電解コンデンサーは露出させて、

SBDはアルミ製箱の中に、ヒートシンク毎収納し、空気穴をあけるのが良さそうだという

事になりそうです。



手書きの汚い平面図を以下に示します。

寸法は幅340mm、奥行260mm以上となります。





タカチにはYM400という、アルミ製400(W)×250(D)×55(H)があります。


奥行がぎりぎりなので、部品を確定して再度慎重に箱を決めることとなりそうです。


なお、タカチのこのシリーズには、YM350、350(w)×230(D)×55(H)があり、

アンプ用としては、内高60mmという条件より薄いが、基板支持を短いもの

使用すればこのケースで良さそう。


2017年1月26日木曜日

雑誌「MJ無線と実験への自作ホーンの記事掲載の報告」追記1

昨年の5月号に続いて、今年の2月号、3月号にも私の自作ホーンおよびウーファーの記事が掲載されましたので、

ご報告しておきます。 




いずれもMJ無線と実験の、読者の作品 誌上 ギャラリーというコーナーで

1)2016年5月号113頁 、 YL75000用中低音ホーン

2)2017年2月号129頁、 中高域用ホーン

3)2017年3月号133頁、 3Dウーファー

ですので、機会があればご覧ください。

記事を写真でコピーしてここに掲げるのは、マナー上まずいと思うので差し控えます。







更には、これから作ろうとしている、マルチチャンネルアナログICパワーアンプも

無線と実験を意識しながら、高性能版・製作超簡単を目指しますので、ご意見ご支援など

をFacebookを含めてお願いいたします。




2017年1月24日火曜日

マルチチャンネルアンプの設計(3)

昨日、本日と毎日半日程度をアンプの構想にかけられているので、かなり進展したような

気がします。  

スピーカーの時もそうでしたが、こういう構想、設計時が、もっとも楽しい時期ですね。





イ)アンプ設計と基板について

昨日は、

基板どうしようか?  プリント基板を自分でエッチングしたことないし と思っていたが、

調べてみると、LM3886のキットが幾つか販売されていました。

① http://it-densi.ocnk.net/product/113

② http://it-densi.ocnk.net/product/76

③ http://www.aitendo.com/product/4696





①、②はLM38862台と、前段にバッファーアンプ、(及び電源が)ついたキットで少々

高めで、③は回路の定数はほぼ石のデータシートのシンプルで単価が千円ですが、

回路的には、常時0.2Ωを何故かSPに直列で入れている?

①、②のように、SP側で短絡した時のみ抵抗が入るようにすべきだと思うので変更が

必要だろうが、③を6台使って改造する事で、3CHマルチの設計を進めてみます。

Vcc±端子に入っている、Cはオーディオ用に変更するなどはトライするつもり。



ロ)放熱設計と放熱器の選定について

LM3886のデータシートによると、最大消費電力Pdmaxと、IC駆動電圧Vcc、スピーカー

インピーダンスRL、及びICの熱抵抗θja=1(データシートより)、Case of heat sinkθjc=0.2、

放熱器の必要な放熱抵抗θcs、θsa、IC内許容最大温度Tjmax、IC周辺温度Tamb

には以下の関係あり。


Pdmax =  Vcc✕Vcc/(2✕π✕π✕RL) = 3.65 watt (ただしVcc=24V)

θja = θjc + θcs + sθsa

計算結果は、θsa = 34.2となりますので、これより十分に小さな放熱器を選ぶ事と

します。


ヒートシンクの指定は、TIのデータシートには無いが、TO-220用の放熱器をネットで

調べると、以下の製品がθsa = 13.5℃/Wで324円/2個だそうでこれでいいですね。
商品画像1


ハ)3CCHマルチアンプの配置(除く電源)

イ)の基板とロ)の放熱板を組み合わせて、これを6枚配置することになります。

ケースの前面には、3チャンネルのアンプのボリュームが別々に3個、

背面には、入出力用の端子が必要で、これ以外に電源部からの電源供給ジャック

が取り付けられて、ある程度の余裕を持たせる配置は、以下の通りです。




各基板の間と、ケースの間を20mmとればいいかなという感じで、後は

基板に発信止めとか何かつける事と、手持ちの25mm長基板足を使う

事前提で、高さも求めます。

結果、内寸法はW✕D✕Hが260✕190×60(mm) 以上となるので

タカチなどのケースから選別することとします。




ニ)電源部の設計


LM3886の1台について、24V(DC)駆動時、何Aを見込むべきかは、

データシートには載っていません。

一つの参考事項は、イ)項の②は電源つきですが、30V(AC)、4.6Aと

なっており、これを参考に15Aあれば十分としました。

マルチアンプなので、各アンプの出力は、全周波数帯域ではなくそれぞれ

の受け持つ帯域なので、余裕は出来ようと思います。

SiCSBDはロームのオーディオ用(400V20A)がありますが、選別が適当か

あるいは、放熱設計どうすれば良いか、ロームに現在問い合わせ中。

コンデンサーはやはり耐圧十分にするために50Vクラスとしようかと。

50V、10000μFで、610円@(基板用)なので、とりあえず±それぞれ5万μF

使ってみようかと。  ただし筐体のサイズはその一桁上を収容できるように

しておこうと思います。


なにしろ、多くの方がコンデンサーを極端に増やして、その効果があると

レポートされているので。。。

配置設計はこれからです。

********************************

1月30日追記:

LM3886のデータシートに、電源電圧・電流と出力パワーの設計方法が詳細に

記載されていたので、設計を以下のようにします。


Vopeak = √(2Rl✕Po)

Iopeak = √((2Po)/Rl)


最大負荷時電源電圧より無負荷時が15%高く、ACライン変動を10%見込みまた

LM3886のドロップアウト電圧を、負荷電圧あたりで表から2.3Vと求めて必要電源

電圧を求める。



まず、私のホーンは中低音がインピーダンス16Ω、中高音、高音いずれも8Ω

なので、

①中低音ホーン:

16Ω負荷で/12Wを得る場合の必要電源は

Vopeak = √(2✕12✕16) = 19.6 V

Iopeak = √((2✕12)/16) =  1.22  A


必要電源電圧 = (Vopeak + 2.8)✕(1 + 0.15)✕1.1 = 28.3 V

②中高音・高音ホーン:

8Ω負荷で/1.2Wを得る場合の必要電源は

Vopeak = √(2✕1.2✕8) = 4.4 V

Iopeak = √((2✕1.2)/8) = 1.73 A

ただし、LM3886は20V以上での給電が要求されているので、


28V(DC)で要求される電流値は、

I =  1.22✕2 + 1.73✕4 = 9.36 A

従って、15 A あれば十分となります。

なお 28 Vを得るには、トランスの 20V端子より

V = 20 ✕ √2 - 0.6✕ 2 =  27.1 V  なので切り上げ良しとします。


2017年1月23日月曜日

マルチチャンネルアンプの設計(2)

Audio PowerIC(ABクラス)の比較表を作ってみましたので表1に示します。



 
 

幸い、31社のAudio用ICを掲載しているサイトが見つかり、それにいくつか追加

したものを表-1としました。http://www.indexpro.co.jp/Category/116




この比較からは、ICの単価は3チャンネル作ったとしてもどれも数千円なので、

性能をやはり追い求めたいですね。




一番歪が少ないのは、TIのLM3886で、1khz~20khzで0.1w~10w帯で

0.05%以下なのでこれかなと思いますが、偶然にFacebookで知り合ったプロの

設計者から新たな情報あれば変更もあり得ます。




LM3886のデータシートで記載されている回路図は以下の通りで、製作はそれほど

難しくはないのではないでしょうか。





私はプリント基板をエッチングしたことはなく、通常のユニバーサル基盤でもこの程度

の回路でなら出来るのではないかと考えますが、発振が問題かな?




次に、このアンプの電源回路がどうあるべきかで、手持ちの無線と実験から参考に

なりそうなものを箇条書きしたものを表2として示します。





内容は、主として以下の二つに分けられます。

①電源回路そのものの記述

②ノイズ対策付加回路の記述




①の電源回路には、さすがに無線と実験にはSW電源はあまり出てきません。


大別すると、

イ)1980年代は、総じてブリッジダイオード+チョークコイル+大容量電解コンデンサ


最近は、以下に大別できそうです。

ロ)ブリッジダイオード+電解コンデンサ

ハ)ブリッジダイオード+電解コンデンサ+TR安定化回路

ニ)ブリッジダイオード+電解コンデンサ+三端子レギュレータ安定化回路





Facebookオーディマニアの議論でも、安定化回路があったほうが音の立ち上がりが

良いという話と、ないほうが良いという話がありますが、私はロ)で行きたいと思います。




LM3886は20v~84vまで使用できますが、AC20v✕10~20Aのトランスを

使って、18V端子でSiC SBDで両波整流して24vDCを得て下限ぎりぎりでドライブ

して、電解コンデンサの耐圧も低いもので間に合わせようかと。

日本ケミコンの6800μ35Vの場合、10個で4500円ほどですみますが容量を変えて

音の変わり方も確かめてみたいです。


トランスは容量次第ですが10Aで8000円程度。

オーディオマニアの諸先輩には、電解コンデンサーをもう一桁上の容量を使われ

ている方や、すごい方は1.5F(1千5百F)使用とか。。。  


コンデンサーだけでも数十万円投資ですね。






②のノイズ対策ですが、



最初の対策は、表2中の、N0.1、6、11、14の安井章さんの提唱される

音響用フィルターは私のDACで既にトライ済みで、本当にシャープな音になるので

今回も使用します。




二番目の対策ですが、No.7、13は回路的には同じであり、かつNo.13はTDKが外販

していて千円少しと安いのでこれを採用します。  製品は以下のサイト参照です。

http://www.tdk-lambda.co.jp/products/sps/tdk_nf/rpe/indexj.html


数Mhz~30Mhzの雑音を25db以上抑圧するそうです。

これがあれば、No.12のフェライトビーズはいらないかも。




三番目は、No.5の柴崎巧さんのシャント型ACノイズフィルタ(RCカスケード)で、

記事中の写真では雑音波形が目視で1/5ほど(十数db)小さくなっています。


二番目のTDKのフィルタより少し低音側から抑圧効果が有るのではないかと勝手に期待

しており、これも併用しようかなと考えています。




ただし、いずれも電源回路に入れるので、万一ショートした際の過電流防止を

よくしなくてはいけませんね(ヒューズをしっかりと入れます)。




筐体としては、電源部はマルチチャンネルアンプとは分離の予定です。












2017年1月19日木曜日

マルチチャンネルアンプの設計(1)

今年の目標の一つがマルチチャンネルアンプの設計と製作です。



私の現在のスピーカーシステムは、自作で

①ウーファー :FW305ダブルを200Lの箱に装着。

②中低音 :YL-750002台を全長295cm、Fc70hzの折り曲げ木製ホーンに装着。

③中高音&高音 :BMS4592ndドライバ2台をFc290hzの木製ホーンに装着。

という3.5Wayです。



なお、②は無線と実験2016年5月号、③は2017年2月号に掲載していただきました

ので、機会があればご覧ください。






写真ー1 スピーカーシステム





写真ー2  アンプ、チャンネルデバイダーなど





このスピーカーを駆動するアンプは、LPプレーヤーの下の段のチャンデバの上にある、

TA-2020というD級パワーICを使用した中国製のアンプ3台です。

どうも高域の伸びキレ、特にバイオリンのつややかな音色が出せないです。





これを解決するために、歪の少ないアナログアンプを作りたい。



世の中の、自作の流れは圧倒的に真空管アンプですね。

無線と実験という雑誌では、真空管アンプを毎月異なるバルブで製作記を発表される方が

4名ほどおられ、かたや石(トランジスタ)のアンプを発表される方は1~2名。

教横浜図書館を見てきましたが、真空管アンプの本は5~6冊ありますが本格的な石の

アンプは見当たりません。





私は更に、違った設計をしてみたいと思います。



アナログ回路のパワーICで、それも小出力のものを使用したいと思います。

事の発端は、Facebookのオーディオマニアで栗山さんとシステムについて議論する

中で、私のシステムを知っている彼が、小出力のマルチアンプが良いのではと言ってくれた。


皆さんも良くご存じのB&W805を調べてみると、HPによれば能率は88dbであり、

推奨するメインアンプは50~120Wです。

一方私のウーファーは95db、YLホーンは107db、BMSホーンは118dbなので

ウーファーには、8~20W、YLホーンには、5~12W、BMSホーンには0.5~1.2W

あれば良いこととなります。





回路として適当なTRを使ってディスクリートで設計することは考えられますが、数年前に

DACをくみ上げたものの、搭載部品200を超えると完了してもすぐに動作せずやっと

2週間後に、半田ではなくコネクター不良だったことが判明した事がトラウマになってる。


粘りが無くなってきているので、パワーICを使用して困難さを軽減したいが、性能は

犠牲にしたくないです。





http://www.indexpro.co.jp/Category/116 には、Audio用アナログアンプが掲載されています。

調べてみると多くは、カセット用などの簡易アンプ用ですが、中にはカーオーディオ用

などでは、10kzの歪率でも0.1~0.3%の性能のものもありますし、何しろ安いです‼





次回は、選択したICの放熱設計と、電源について検討結果を予定します。