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2016年1月30日土曜日

中低音ホーンの完成 (Mid bass horn is completed)

やっと中低音ホーンが、左右とも出来上がりました。 




写真ー1 スピーカシステム全景(真ん中のバックロードホーンは使用せず)



写真左下と右下に見える開口部と、左右奥に見える木製がそのホーンです。

なおパソコンの左右双方の正方形開口は、中高音用のウッドホーンです。


中低音ホーンはカットオフ周波数が70hz。 音道長は295cmで、理想的なハイパボリックホーンからの設計時の誤差は、±5%以内となっています。

従って、開口部からの反射は別として、ホーン音道部位からの反射は、
ΔP = 10LogΔZ = 10Log0.05 = -13db以下 となるのだと思います。

YL75000ドライバーの公称周波数も70hz以上となっているのですが現在は低音域を特にカットせずに比較的小音量で聴いています。



聴感では

①3年間使用してきた30cmバックロードホーンよりは明らかに低音が伸びており、

②立ち上がり、立下りというかトランジェントが良くてスッキリ感がある。 

③音がつまったりこもったり聞こえずに、ピアノの中低域がスーッと伸びて品が良い。

のでにんまりです。 いずれ特性はとってみますが。。





どのように製作したかを、まとめておきます。

1)設計について
これは、何度もやり直して、最初は50hz/63hzの全長3.7mのコニカルホーンの図面を描いたが、どう見ても重すぎるのであきらめて、現在の設計に変更をしました。

この経緯はくどいくらい、前のブログに書いているので、割愛します。


製作したホーンの概要図のみ、以下に貼り付けておきます。



図ー1 開口部の平面図




図ー2 音道の側面図





写真ー2 中低音ホーンのドライバー

写真したの茶色のほうがYL75000です。  銘板の表示では、周波数特性が70~1,000hz、インピーダンス8Ωとなっています。

上部に見える黒いほうは、中高音用同軸2wayのドライバーで、BMS4592ndです。



写真ー3 ドライバー取付板

最初は、ステンレス板あるいは鉄板で作ろうと思い、見積もりを取ったところ、双方で2万円前後となりそうなので、木製とすることにしました。

あまり取り外すことはないと思っており、強度上の問題もないと思う。



写真ー4 スロートアダプター(〇⇒□変換)

JBLをはじめとして、金属製のものが普通だと思います。

私のホーン製作で参考にさせていただいている、新井悠一さんは、木の板をやすりで削って作っておられたので、その方法をとっています。

なお、写真ー3、4の部位と音道の端面版は厚さが25+25+10mmなので60mmのステンレスM6ボルト4本で結合しています。




写真ー5 カット後の木材

25mm厚さの集成材で、通常廊下等に使われている1.8m×0.6mで1万円未満の安価なものを使用しています。

スーパービバホーム長津田までは、車で30分で行けますが少なくとも10回以上往復して、A2版の6枚に板取図をまとめて、そのとおりカットしてもらいました。

一度に、この木材の半分以上を運んだ時には、重さでプリュースの前が少し上がって運転することになりました。



写真ー6 ドライバーとスロートアダプターと音道の接続部

写真が前後しましたが、こういう順で先ほど書いた通り、長さ60mmのM6ボルトで固定しています。




写真ー7 音道とベンド小、ベンド中

写真ー6に示した、ドライバーとスロートアダプターは、この写真の左下に接続されます。  この写真で右上コーナーを、ベンド小、左上コーナーをベンド中と呼んでおります。




写真ー8 ベンドの製作の為の材料

右下の4枚の木片が、ベンド小、右上がベンド中、左上がベンド大の為の木板となります。

それぞれ音道を90度まげます。

ベンド小と中は曲げ部の寸法精度をあげるために、写真の左に見えている透明なプラスチック板(厚さ1mm)を使用しました。  

ベンド小、中それぞれを必要幅に保つべく、6mmボルトナットで3点固定し、その間にプラスチック板を挟んでやります。

板がズらないように、溝を掘り、かつ接着剤で固定するのが結構難しいです。





写真ー9 ベンド小の製作

固定が終わってから、写真ー8で手前にあるセメントで上下を固めました。


写真ー10 ベンド大の製作

こちらも、最初プラスチック版で曲げ部を作ろうとしたが、何しろ板の感覚が500mmを超えるので無理でした。  

なお側板の間隔を保つのも、M6ボルトを継ぎ足して、行いましたが少し無理気味でした。

厚さ5mmのベニヤ板を15-20mmに細切りしてもらいそれで局面を作り、隙間を荷造りテープで抑えてから上下をモルタルで固定しました。

左右両ベンドでモルタルを8kg程度使用しています。

荷造りテープをはがすのに苦労したので、もう少し良い方法を考えたほうが良いかも。

また最初の製作では、歪みに気づかず、開口部との接合面合わせに苦労したので、二度目は接着剤効果の過程で特に辺と辺の直角の確保に注意をした結果制度が出ました。

もう一つ、ベンド大と他の部位との接合面を正確に型枠を作って、モルタルを塗ることが必要ですが、今回はそこがきれいにできずあとで修正に苦労しました。




写真ー11 ホーン開口部(右側)をベンド大に接着

接着はいずれもボンドを使用しました。  

はたがねは所有しているが、こういう形状ではなかなか使用が難しい。

写真右開口部の上にベンド大を載せるようなかたちで、自重をかけながら硬化させた後に、鉄板を接続部にあてて、モクネジで固定をし、補強しています。





写真ー12 仮組状態

色々なところを修正しつつ、仮組した所です。  

なおどうしても隙間が出るので、開口部付近は割り切って、ゴムシート系で詰め物をしましたが、ドライバーの近くは音圧も高いはずなので、ボンドと切削粉を混ぜて気密性を保ちました。


  開口部の天井が90%出来上がっていますが、この天井部がどうつくるか一番悩んだところでした。




写真ー13 天井部の製作(1枚目の板接着)

このホーンは、左右非対称で、両側の壁面にホーン開口部が密着するように構造設計してあります。  

従って開口部の天井は、どの断面も平板にならずうねっている。

これをある幅の木板でどうやって覆うのかが問題。

最初天井部を、5枚の板にカットしたが、もちろんそれでは覆えないので、全部で35枚の細い幅の板に再切断しました。

これだと、ボンドで、側板に貼り付けられて、天井板同志の隙間も、ボンドと切削粉を混合して埋めることで、固定と気密性をほぼ保つことが出来ました。




写真ー14 天井部の製作(3枚目の板接着)




写真ー15 ボンドと切削粉の混合