1週間前に岩瀬式多孔吸音パネルを製作して、測定をしたが結果は少し?で、周波数が目標値より高いところで変化が少し見られ、再度検算と再測定を、今回はかないまる式も含めて実施した。
検算結果、また計算誤差があり今正しいと思われる計算値は下表のとおりです。 (計算実務を離れて、困ったものです)
表ー1 岩瀬式多孔吸音パネルに共鳴周波数
p孔ピッチ(cm) |
V空気室(cc) |
δ補正(cm)1.3r |
l'パイプ長(cm) |
r孔半径(cm) |
S孔面積(cm2) |
f共鳴周波数(hz) |
5 |
125 |
0.26 |
1 |
0.2 |
0.125664 |
155 |
5 |
125 |
0.26 |
1.5 |
0.2 |
0.125664 |
131 |
5 |
125 |
0.26 |
2 |
0.2 |
0.125664 |
115 |
5 |
125 |
0.26 |
2.5 |
0.2 |
0.125664 |
104 |
5 |
125 |
0.26 |
3 |
0.2 |
0.125664 |
96 |
5 |
125 |
0.26 |
3.5 |
0.2 |
0.125664 |
90 |
5 |
125 |
0.26 |
4 |
0.2 |
0.125664 |
84 |
5 |
125 |
0.26 |
4.5 |
0.2 |
0.125664 |
80 |
5 |
125 |
0.26 |
5 |
0.2 |
0.125664 |
76 |
5 |
125 |
0.26 |
5.5 |
0.2 |
0.125664 |
72 |
5 |
125 |
0.26 |
6 |
0.2 |
0.125664 |
69 |
5 |
125 |
0.26 |
1 |
0.3 |
0.282744 |
232 |
5 |
125 |
0.26 |
1.5 |
0.3 |
0.282744 |
196 |
5 |
125 |
0.26 |
2 |
0.3 |
0.282744 |
173 |
5 |
125 |
0.26 |
2.5 |
0.3 |
0.282744 |
157 |
5 |
125 |
0.26 |
3 |
0.3 |
0.282744 |
144 |
5 |
125 |
0.26 |
3.5 |
0.3 |
0.282744 |
134 |
5 |
125 |
0.26 |
4 |
0.3 |
0.282744 |
126 |
5 |
125 |
0.26 |
4.5 |
0.3 |
0.282744 |
119 |
5 |
125 |
0.26 |
5 |
0.3 |
0.282744 |
114 |
5 |
125 |
0.26 |
5.5 |
0.3 |
0.282744 |
108 |
5 |
125 |
0.26 |
6 |
0.3 |
0.282744 |
104 |
5 |
125 |
0.26 |
6 |
0.3 |
0.282744 |
104 |
5 |
125 |
0.26 |
6 |
0.3 |
0.282744 |
104 |
5 |
125 |
0.26 |
6 |
0.3 |
0.282744 |
104 |
5 |
125 |
0.26 |
6 |
0.3 |
0.282744 |
104 |
なお、吸音パネルは60cm×60cm×5cmで、表面に12行12列で3cm毎に6mmの孔をあけて、内径4mm外径6mmのPVCパイプ(長さ2cm)を装着しています。
従って、表ー1の黄色表示の部分にあたり、共鳴周波数は115hzが計算値です。
さて、測定について説明する前に、先週一週間、岩瀬先生や、その他の方がどのように吸音率を測定されているか、もう一度文献を読み直してみました。
すると、スピーカーから出た音を自由空間に放出して、試聴位置で測定をしているのではなく、80cmから1mのパイプをスピーカーにほぼ直結し手測定されている例が多いことが分かったのです。
そこで、私の部屋にそれに近い状況を再現することにしました。
上の写真ー1に示すように、スピーカーの前に60cm×60cmの合板4枚をテープで仮止し吸音パネルの前に仮固定します。
これをスピーカーの前面において箱の中には、吸音パネル方向に測定マイクを設置します。
この写真ー2は、測定筒をスピーカーから約50cm離して設置した状態を示しています。
マイクはこの写真ー3のように、吸音パネルから約5cm離して設置。
吸音パネルと比較する為に、ただの板での測定も実施します。
こちらは、かないまる式吸音パネルです。 実際の使用状況に近づけようと、パネルの後ろに、壁に見立てて合板で後ろから押さえます。
以上の状況で測定した結果を以下に示します。
まずグラフー1は吸音パネルではなく、ただの板から反射してくる音の周波数特性です。
箱の位置はスピーカーシステムのウーファー部分に向いており、スコーカー以上とは向きがあっていません。
従ってfc300hz以上の帯域で、徐々にレベルが落ちています。
グラフー2は、グラフー1と極めて近似していますが、岩瀬式パネルを装着した時の測定結果です。 100hz少し上の周波数の形が、少しちがうのが比較すると判りますが、これが効果とは?
グラフー3はかないまる式吸音パネルを装着した測定結果です。
こちらも、100hzちょっと上が少し変化しています。
なおMy Speakerには、例えばグラフー1と2を重ねてみる「重ねてビュアー」という機能があります。
重ねたグラフを再度保存できないので、ここではお見せできませんが、これを実施すると、グラフー2と3は周波数500hzz以上でグラフ-3のほうが落ち着いているようです。
すなわちグラスウールの特性で、中高音域で吸収が効果を上げているのが想定でもはっきり出ています。
一方多孔吸音パネルは、全体域での効果が、この実験ではハッキリしない状況です。
今回は、ピンクノイズ以外に、サイン波での測定、クロマチック測定、インパルス測定すべてを実施しましたが、大きな相違点はなさそうなのでピンクノイズ測定のみ示しました。
う~む、どうしようか・・・
7月28日追記:今井 明さんからのアドバイスで重ねてビュアから画像をペイントで当ブログに貼り付けることができたので、以下に示します。
まずかないまる式吸音パネル有り無しです。
パネルありの方が、赤色表示となっています。
次に岩瀬式多孔吸音パネルです。 こちらも、パネルありが黒色、無が赤色表示となっています。
悩みどころは、吸音パネル有り無しの効果です。
パネルの大きさが、岩瀬式は60cm×60cm、かないかる式は60cm×90cmですが、今回は測定環境と称して、ケースで囲んだので、60cm×60cmの範囲からの反射/九州の周波数特性をとれたと思っています。
岩瀬式の吸音は、共振周波数の設計を計算誤差があって高めに見積もっていましたが、どこかの周波数で大きくディップまたはピークができるとか期待していたのがそうではない。
これなら高い吸音率が期待できないという事かな~、どこかが間違っているかもしれません。
何かわかればと読者の方にもお聞きしたいです。